2日かけて箱根の神社を巡りました。
箱根を立つ前に、おやつの時間にしましょう。
元箱根港でフェリーを降り 、箱根湯本行きのバスに乗り換えます。
5分ほどで、「甘酒茶屋」のバス停に着きました。
道路は旧国道1号線、箱根湯本、小田原に通じます
箱根 甘酒茶屋
お客さんは、とっても多く、ひっきりなしに来ていました。海外から来ている様子の観光客も大勢いました。
入口横には昔の籠(かご)と、「参覲交代諸大名休息処」と書かれた看板が見えます。
敷地内には、このような看板も。
ここは、畑宿と箱根宿の間にあたる場所なのだそうです。
畑宿(はたじゅく)は今は寄木細工(よせぎざいく)で知られる地で、箱根宿は芦ノ湖畔の宿場です。
討ち入りで知られる「赤穂浪士」の一人、神崎与五郎が江戸へ急ぐ途中、馬子(まご・馬に人や荷物を乗せることを仕事とした人)の丑五郎に言いがかりをつけられ、「大事の前の小事」と詫び証文を書いたところとしても知られる茶屋です。
やがて事情を知った丑五郎はおおいに悔い、仏門に入って霊を弔ったとも伝わります。
店内に入ります。
甘酒茶屋の建物は長い年月のあいだに改築を経ていますが、内部は土間(どま)で、武骨で自然素材そのままといった柱や梁(はり)が使われ、江戸時代もかくやといった雰囲気です。
奥には座敷があり、囲炉裏(いろり)もあります。
囲炉裏から上がる煙の防虫効果を活かし、茅葺き屋根をいぶしているそうです。
また、店の外には緋毛氈(ひもうせん)を敷いた縁台があり、さわやかな陽光のもと休んでいる人もいます。
それでは、甘酒をいただきます。
甘酒と、胡麻きな粉餅
香ばしい醤油の「いそべ」、ほんのり甘いきな粉の「うぐいす」、きな粉に擦りたての黒ごまを混ぜた「黒ごま」、3種類ありますが、”擦りたて黒ごま”の風味に惹かれ、今回はこれをお願いしました。
運ばれてきて、まず甘酒をひと口飲むと、トロッとした舌触りに、ほのかな甘みが感じられ、旅の高揚感が和み気持ちが落ち着くのを感じました。
聞くと、この甘酒は地場の”うるち米”と米麹(こめこうじ)のみで作られ、砂糖は使っていないとのこと。ほのかな甘さは、麹菌由来のブドウ糖によるものだそうです。
小皿に入っているのは、ふきのとうの醤油漬けを細かくきざんだものだそうで、甘酒とともに出されたのですが、甘酒の甘さと妙なる取り合わせでした。
そして、餅です。
杵(きね)で毎朝つく餅は、とてもふっくら、独特の香ばしさも感じます。
それは、備長炭で焼いているからとのことです。
そのような餅そのものの美味しさに、きな粉の控えめな甘さと、擦りたての胡麻の風味が加わり、素朴さと気遣いが感じられ、もう少し食べたいと思わせるものでした。
ちなみに、きな粉と胡麻の「黒ごま」餅は数量が限られています。
箱根名代 江戸初期創業
箱根 甘酒茶屋
http://www.amasake-chaya.jp/index.html
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町畑宿二子山395-1
営業時間:7:00〜17:30
定休日:なし
茶屋をあとにし、すこし周りを散策します。
甘酒茶屋のすぐ後ろには江戸時代の東海道があり、今でもその道を歩くことができます。
歩きやすい状態の道で、木洩れ陽のなか気持ち良く歩くことができ、多少の上り坂も苦になりません。
石畳の所もあれば、土の所もあります。
私の他にも、あたりを散策している方がいらっしゃいました。
この道は芦ノ湖畔に通じますが、バス停にもどるため途中で引き返します。
穏やかな秋の陽射しのもと、気持ちの良い旅の締めくくりとなりました。
ちょうどよくバスの時間になりました。
箱根登山バスに乗り、箱根湯本駅へ向かいます。
箱根湯本駅についたら、帰りもロマンスカーに乗車します。新宿まで1時間半ほどです。
帰りのロマンスカーの中で
7代目の新型特急「ロマンスカー・VSE(50000形)」 新宿駅にて
帰りは、この車両に乗ってきました。
乗客が車窓を楽しめるように、工夫がしてある車両です。座席が5度 窓の方に向いていて、座ると自然と窓側へ視線が向くのだそうです。
旅路の最後はロマンスカーの旅を楽しみ、箱根の旅行はおしまいです。